6/11 安達元彦 完読

6/11  安達元彦  完読

マチュア劇団に所属していた時に出会った方の本。初めて会話した時は、劇団には居ない、とても優しい物言いの人で、何でも包み込んでくれてた記憶がある。そんなに面と向かって会話したわけでは無いけれど、この時は、安達さんの生い立ちを全く知らなかったので、失礼ながら、巷の作曲家ぐらいにしか思っていなかった。
今回この本を読んで、こんなに凄い人だったんだと言うことが初めてわかった。
音楽って何だろう、歌うって何だろう、人にとって何の役に立つのだろうと徹底して追求されていたのがよくわかった。作曲家、音楽家、と言うよりは、音楽を通した哲学者なのだろう。時代がもう少し遅ければ、もっともっと有名になっていたのではないかと思う。逆にあの時代だからこそ考え方が変貌して構築されて行ったのかもだけど。
本としては、始めに断りは有ったものの、同じ話しが何度も出てくるので、少しかったるく感じた。あと、全く知らない人にも読んでもらうなら、もう少し、編集を考えた方が良かったかも。私にはどうすれば良いかはわからないけど。それと本そのものが辞書みたいにゴツくて、とても読みにくかった。
知り合いから紹介されて買ったのだが、書店で目にしたのだったら買ってなかったと思う。
でも、読んで安達さんの人となりの少し深みに入った所がある程度わかったのと、音楽ってただ聞くだけでなく、その奥底には、きちんとした哲学が有る事がわかっただけでも、損した感は無かった。