3/4  忘れな草 読了

佐々木丸美さんの雪の断章の解説に、佐々木丸美さんの孤児四部作とあり、その4つのうちの一つがこの忘れな草。内容は特に続きものではなく、孤児の女の子が主人公で、虐げられた幼少期から醜いアヒルの子が白鳥になるというもの。それでも特徴的なのが、トキさんと言うお手伝いさんが同一人物で出ており、雪の断章の家でのエピソードがスパイス的に入っているのが面白い。雪の断章でお暇を出された期間がありその期間に忘れな草の家庭でお手伝いしている事になっており、よく考えてるなあと感じた。

この作品いろんな書店で聞いても在庫はなく、初めてAmazonで購入した。

そういう意味でも楽しみであったが、主人公の周りの少女達が企業のの争いに巻き込まれたり、幼少期は別の名前で呼ばれていたり、誰が誰やらさっぱり判らず、企業に関わっている大人達も誰が誰やら複雑怪奇に入り組んでいて、正直何がどうなったのかさっぱり判らないまま終わってしまった。なので、読む時間も一ヶ月もかかってしまった。しかもこの作家の素晴らしいところである、情景や心情を表す、修辞、言葉、が私には邪魔で邪魔で、これを読んでいると情景や心情は美しいと思うが、話の内容がすっ飛んでしまって、結構しんどかった。ある種、哲学書を読んでる感があった。三島由紀夫さんを最初に読んだときを思い出した。三島さんの場合は登場人物も少なく、人間関係も複雑ではないので内容はよくわかったが、この本は、企業間の陰謀や、登場人物の多さや、ミステリもあって、複雑の相乗効果が起きて、素人読書家には難しかったのかも。

残り二作も読もうと思っていたが、辞めることにした。