4/26 そして誰かがいなくなる 読了

ある有名作家が、盗作の暴露をする為に、新築した自宅にお披露目会と称して、関係者を呼び集め、そこで事件が起き、解決するという推理小説。

個人的には、屋敷内の描写が多すぎて途中まではかったるさを感じたが、終盤の展開は面白かった。解決コーナーに至るまで、こんなん無理だよなぁって思う様な展開があるのだが、そーいうことかなんて、納得がいくし、たぶんよく読めば前半も色々滲ませる様な描写が散りばめられていた様な気もする。

以下ネタバレなのでご注意。

 

有名作家の名前の発音が難しく最後の最後まで慣れなく、この名前になんかヒントあるんじやない?なんて思いながら読んではいたけど、そうだったんだとオーラスでわかった時は、読み方、間違えてないな、なんてちょっと鼻高。

 

最後の解説、あまりにも巧みな言葉での称賛、ものすごく勉強になった。褒めすぎていて逆にホントにそこまで思ってる?なんて疑いたくなるくらい。

4/1 恍惚の人 読了

題名は聞いたことがあったが内容は全く知らず、たまたま手にしたところ、認知症の老人を抱えた家族の話ということで興味が湧き購入。

夫の両親と大学入試前の子供の5人家族の家で夫の両親は同じ敷地内の離れで暮らしていたのだが、夫の母が突然亡くなるところから話が始まる。突然の死なのでどうしたら良いかわからず、母が一人で奔走し、ご近所のお年寄りからあーでもないこーでもないとアドバイスをもらって通夜の準備から葬式までを取り敢えず済ませた所で、夫の父親の奇行に気付く。

徘徊、自分の息子が認識できない、家に賊が入ってくるという妄想等々。

その対応は全て母親の仕事で、夫は自分の父親なのに何もしない。母親はキチンとした仕事をしているにもかかわらずである。

なんだか読んでて腹立たしくなるくらい。が、高校生の子供は母の指示や頼み事は文句一つ言わず実行する、凄い子供だ。

読み進めていくと、この小説の舞台となっている時代が戦後まもなくの頃の話しだったので、ああ、あの頃ならこんな感じだったんだろうなって納得はしたが、話の内容が現代にもバッチリ当てはまるので、昔から同じ様な問題があったんだという事と、少しずつではあるが時代は変わってるんだなって思った。

認知症のお年寄りの対応はとても働きながらできるもんではなく、特に下の世話は私の想像を絶する。

今、自分の母親が重度の認知症で施設でお世話になっているのだが、私に母の下の世話ができるだろうか、と考えながら読んでいた。

この小説では、自分の親でなく、夫の親なので更にハードルは高いはずである。これが昔の話だからと思っているが、恐らく今も苦労されている方もいるのではないかとも思う。

この小説の面白いところは、家族だけでなく、ご近所の方々や、施設の方々、居候となる若い夫婦とかが、認知症を患う老人に対していろんな感情を持っている所。

2/6 総理の夫 読了

昨年、総理大臣に女性が就任され、未来を予想したかのような題材で、マハさんの本なので購入。

主役である、総理の夫となった、野鳥研究を仕事としている資産家の息子の日記形式で、奥さんとの出会いとか、総理の夫となってからの困惑と奮闘の小説となっている。

読みながら、これ、日記?ってずっと頭をよぎっていて、日記形式でなく普通に小説にした方がスっと入ったかも、と感じた。

例えば、忙しいのはわかるが、記録するのが何日も間が空いていて、その上前回の内容を重ねて書いているとか。奥さんとの出会いとか日記に書くかなぁとか。近しい人に騙されてることを実名で書くかなぁとか。

内容は面白いけど、そんなことがずっと頭によぎってた。

今まで考えたこともなかったが、総理大臣のパートナーって、ほんとに大変なんだなぁって思った。

12/25 高校事変23 読了

9ヶ月ぶりの高校事変。待ちに待ったクライマックス。

日本が、これでもかっていうぐらい、弱小国に成り下がり、良くは知らないのだが、中東の国の様に分裂直前まで落ちぶれてしまった、そんな中での、優莉家の壮大な親子喧嘩の前哨戦。全ての元凶は父親の優莉匡太なのだが、この巻では姿を見せず、子供達がその捜索する最中で、瑠那の宿命の敵、日登美との攻防が繰り広げられるのである。

極端ではあるのだろうが、日本の近い将来がこの小説の様になっていくのではと、本当に心配するほど、日本の置かれている現実が要所要所に絡めてあるのが、そら恐ろしい、松岡さん、予言者じゃね、って言いたくなってしまう。

あと、面白かったのが、この巻で初めて、解説が載せてあった事。読んでいて、そうそうと何度頷いたことか。その解説でわかったのだが、この巻で、知らない登場人物が居て、松岡圭祐さんの別の小説の登場人物なのだそうだ。高校事変だけでもぶっ飛んでいる内容なのに、別のシリーズ本も絡めさせてくるなんて、松岡さん、天才すぎる。

それと、解説でも、映画化のことが触れられていて、今後が楽しみである。24巻までを網羅する事はできないだろうけど、1巻の事変だけで、世の中を鷲掴みにするんじゃ無いかな。

12/1 神々の国の首都 読

今、朝ドラでやってる「ばけばけ」の主人公の一人、ドラマではヘブンさん、モデルはハーンさんである、小泉八雲さんの観光随筆の様なものが、図書館に並べてあったので、これは読まなきゃって思って借りた。情けない話、3回延長してようやく読み上げた、と言うより、最後の項は斜め読みにしてしまったので、題名は読了とせず読のみとした。

けど、決して面白くなかったわけではなく、ただ、読む力が劣っているだけ。

最初の項で、度肝を抜かれた。日本人より日本文化をわかりやすく的確に表現していると思った。日本人が書いた紀行文は読んだ事が無いのでほんとにそうかわからないが、まあ、わかりやすかった。

ただ、最初の方は、人も家も西洋と比べて小さくて良いってそこらじゅうに書いてあり、どっちかと言うと、ディスってるって思うくらいだった。

でも、日本人が、素通りしてしまう、文物、風習をこれでもかって言うほど褒め称えているので、決して悪口では無いと思うけど。

さすが物書き、日本の事をよく研究していて、神道、仏教、日本書紀古事記など、ものすごく詳しく、日本の成り立ちとか、神道と仏教の違いとか、神社に祀られている神様や由来とか、とにかく詳しい。読んでいて、松江旅行をしたくなっていくのは、やっぱり素晴らしい文運びなんだろうなって感じた。

今、「ばけばけ」でやってる要所要所のエピソードを思わせる描写もあって、かなり面白い本だった。

10/9 アマテラスの暗号(上下) 読了

カバーにダ・ビンチ・コードを凌ぐ衝撃の名著って書いてあり、ページを捲ると要所要所に写真や図や挿絵が入っていて、ノンフィクションの様な、フィクションの様な、なるほど、信じさせる小説だった。

日本の神々、各地の神社とかに残っている、ユダヤ教のものと思わせる文字や造形物や絵画を一人の日系アメリカ人とその友人が探って行くっていうお話で、この主人公の父親が由緒ある神社の宮司なのだが、殺された、という所から物語は始まる。門外不出の事柄を表に出さない様にするための口封じで、その内容こそが、日本の神々のルーツはユダヤ教なんじゃないかと言うもの。

主人公が日本の有名どころの神社を回ってその秘密を暴いていくのだが、ふんだんに写真が使われており、真実味が格段に上昇してとても面白い。

これを読むと、宗教とか、神社の在り方とか、古事記日本書紀の内容とか、もっと知りたくなってくるぐらい、事細かく書いているので、これを読み込んで、神社巡りすると、何倍も旅行が楽しくなるだろうと思う。現に、出雲大社に行きたくなった。

 

少々読むのに時間がかかったが、面白い小説だった。

8/10 教誨 読了

二人の子供を殺した罪で死刑となった女性の遠い親族がその犯罪の動機を追及すると言う内容。

二人の子供というのが、実の娘と赤の他人の子供の二人。

この女性は判決をそのまま受け入れ控訴しなかった事、処刑前の最後の一言が「約束は守った、褒めて」だった事で不信に思ったのが、動機を追求するキッカケとなる。

小説的には死刑となった女性の回想と動機を追求する親族、こちらも女性なのだが、の探偵活動が交互に語られていく内容。

結局、動機は、閉塞的な村の体質、家父長的な家族体系、過剰なマスコミ、母子家庭等々、今も問題となっている社会現象に複雑に絡んでるものであった。

確かにもう騒がれたくない街の人たち、騒ぎが起こることを懸念している菩提寺、などの気持ちもわからないではないが、弱い立場の人はこういうことによって追い詰められ、究極の選択をしてしまうんだろう、しかも幼い頃から洗脳の様に叩き込まれていたら、疑問にすら思わなくなっていくんだろうな。

犯人の女性が死刑執行に向かう所は、ダンサーインザダークを思い出した。

「教え諭すこと」って意味の「教誨」を何で題名にしたんだろう。誰が誰を教え諭したのか、逆に教え諭す様な描写はなかった様に感じたのだが、読みが浅かったか。