3/24 欺瞞の殺意 読了

いやー驚いた。今年最初に読んだ「鬼畜の家」と同じ作者だった。最後の解説読んで初めて気づいた。なんか同じ人が描いたものとは思わなかった。

資産家の独裁家長が亡くなった後の法要の席、その奥さん、すでに亡くなった息子の嫁、2人の娘とその婿達、家長の秘書や弁護士など親族関係者達が集まってひと段落しているテーブルの席、長女とその息子が毒殺される。第1章でその犯人は捕まり解決する。ここで、また短編だったかとガッカリしたのだが、第2章から新展開。犯人逮捕から40年経ち、第1章で捕まった犯人が仮出所となり、殺人のあった時に現場に居た唯一生き残っている人に出した手紙の内容で次の章が終わり、その返信の手紙、またその返信と、2往復の手紙のやり取りが続く。その内容が、捕まった犯人は実は無実で、服役中に真犯人を考察した物。その返信はその内容を覆し更なる真犯人を割り出し、さらにその次の手紙でまたもや新たな犯人を炙り出していく。手紙文なので読み易く何度も同じ事象が出てくるので理解もしやすかった。

でもこれで終わりじゃなく、更に次の章で手紙のやり取りをしていた2人が別々の場所で同じ様な死に方をしていて心中とみなされ、手紙で解明した内容が故にこの二人は心中したのだな、と幕を下ろすかと思いきや、更なる真相が次の章で、初めに服役していた人物が親友の弁護士へ宛てた手紙ではっきりするのだ。

なんて単純なミステリだろうと読んでいたけど、一つの殺人が、様々な推理で犯人が二転三転、最後には追い打ちをかける真相が。読み終わって、面白い本だと実感した。