6/29 砂の女 読了

読み応えあった。ミステリ、サスペンス、哲学、エロチシズム、その他種々の雑学。全てが混在している小説。こう書くと難しそうだと思われるが、表現がうますぎるのか、あまりイメージできていないけど何となく理解できるので、次から次にページが進んでいく。特に砂の表現は絶品でなるほど、と唸る所多々あり。

学校の男の先生が休日に昆虫取り、それも、砂漠のような砂地に生息する特殊な虫を取りに行ったところでの出来事で、砂に囲まれた、女が一人で住んでいる小屋に監禁され、そこから脱出しようとする小説。

あらゆる方法を、試みるのだが、上手くいかず諦めたり、また挑戦したりで、その時の男の心情がこれまた面白い。女にあたってみたり、いろんな言い訳したり、懇願したり、ととてもうまく表現されている。

私が1歳の時に書かれた本で、いろんな国の言葉で翻訳されたものらしい。読んでいて、正直、砂に囲まれた小屋の具体的な映像が浮かんでこなかったので、ドラマにならないかなぁと思ったら、キチンと映画化されていた。今度見てみようと思う。