2022年6月3〜5日 弘前、盛岡旅行

先輩経由で参加できることになった、23日で行く弘前、盛岡旅行。

羽田から青森までJALで飛んで、その日のうちに城ヶ倉渓谷、蔦沼、奥入瀬十和田湖を回って弘前で一泊、2日目は南下しながら大沼、八幡平のドラゴンアイ、松川渓谷、上坊牧野を巡って、盛岡で一泊。最後は小岩井農場田沢湖、秋扇湖、宝仙湖、青森空港そして羽田。結構な強行軍だった。

目的は、写真の先生と一緒に絶景写真を撮る事。なので一眼レフのカメラが無いと話にならない旅で、自分は写真撮影にそんなに興味があるわけではなかったが、先輩がカメラを貸してくれるという事、東北には行ってみたかった事、たまたま3日の金曜日は会社が休みだった事、と色んな条件が、行く方向に向かっていたので前向きに参加する次第となった。

参加者は、全部で10名。先生、旅行会社の社長兼運転手兼ガイド、他写真好きの6名と先輩と私。年齢構成は最高79歳、私が最年少と言う、高年齢集団。私以外は全員写真撮影好きで、山ほど機材を持っている方々。この10人が、青森駅10人乗り大型ワゴン車を借りて、3日間の撮影旅に出発したのであった。

その前に、羽田空港でモーニングをしたくて、9時集合の所、7時半ごろに到着。クウドという和食屋で粥膳やっていたのでお腹にも良さそうだし、ここで朝食。お粥と小鉢数種、お粥はおかわり可能で役千円。ちょっと高い感じもしたが、結構な品数と味で大満足。今度、羽田に早めの集合があったらもう一回行きたい。

久しぶりの飛行機なので離陸、着陸は少々緊張した。コロナも収束に向かっているからか、飛行機はほぼ満席。

青森空港からは10人乗りレンタカーで満席、先生はじめ皆さん機材の多いこと多いこと、荷物席までパンパンで車の中は身動き取れない状態でいざ出発。

いっきに最初の目的地である城ヶ倉渓谷まで行くのかと思いきや、数分走った所で車を停めて晩御飯の説明と予約が始まった。弘前の結構有名な和食屋さん菊富士を予約するのであるが、希望の御膳をわざわざ車を止めて決めるのであった。そこの定食が高いこと高いこと。安い物でも千円以上、最上は3千何がしで、ご老体たちがブルジョアの人達ということをそのとき感じた。まあ。カメラ機材の量を見ただけで薄々は気づいてはいたが。それでも折角だから最上級の御前を注文してしまった。ようやく晩御飯の下準備が済んだところでさあ城ヶ倉へと思ったが、今度は車中で食べる昼食を買うためにローソンに停車。車は窮屈だけど走行的にはのんびりするのだなと今回の旅の雰囲気を感じとった。

さて、まず最初のロケ地、城ケ倉渓谷。絶景!最深122mの谷に架かる360mの橋を歩いて渡るのだが、山、山、山、彼方に流れる川、先日降った雨で光る緑、素晴らしかった。

写真に撮るのも良いけど、やはり眼で見る絶景は良いもんだ。次のロケ地は予定でなかった地獄沼沢。あったかい水の溜まった沼で、色が緑。自分としてはさほど心は傾かなかった。次も予定でない所で、水芭蕉郡のある所。こんなに沢山の水芭蕉を観たのは初めてで、かつ流れる渓流の透き通る色と音。見渡せば、草原の先に残雪の山々。心がちょっと洗われた。

次は第二の予定していたロケ地、蔦沼。ここから雨がしとしと降りはじめちょっと残念だったが、雨もまた良い。深緑を引き立たせてくれる名脇役。車を停めたのは老舗の温泉宿の前の駐車場で、そこから蔦沼まで歩く道すがらもまた良く、森の中に、木で作った道を川の流れに沿って進んでいく。その終点が蔦沼。雨によるもやで物凄く幻想的な沼と化していてこれはこれで見応えがあった。晴れてたらなお素晴らしいのだろう、少々残念感あり。

さて次なるエリアは初日のメインイベント、奥入瀬。ここも雨がパラついていたので、本来なら1時間ほど歩いた方が良いのだろうが、要所要所を車で移動しての写真撮影となった。奥入瀬のイメージは広浅の川がサラサラと流れている認識だったのだがさにあらず。加えて所々に荒々しい滝が幾つもあり、川の流れも緩急入り乱れて、見所が盛り沢山な所であった。今回は残念ながらポイントを車で移動したのでその場その場の景観のみ満喫したのだが、歩いての散策だと、この緩急が自分の歩調に合わせて出現するので、もっと味わい深い、印象に残る景色になっていたに違いない。

この日の最後は十和田湖での夕焼けだったのだが、雨上がりのモヤで十和田湖も見えず、残雲で夕陽もでず残念な時間を過ごすことになった。それでも19時ごろまで写真を撮って、一路弘前へ。まあまあの距離があり、弘前着は9時前ぐらいであったと思う。当然、晩御飯は朝予約した所に行かなければならないので、それまでお預け。

一眠りしたら弘前に着いており、真っ直ぐ菊富士へ。最高額の御膳は肉あり魚あり蕎麦あり盛り沢山で腹パンパンになってしまった。本来ならここで美味い酒でもと思っていたのだが、体調が思わしくなく酒はやめておいた。所がである。同行者の最高齢姉妹は日本酒をオーダーして美味しそうに飲んでいるではないか。歩いている距離は私と変わらないのになんて元気な方々なんだろうと感心してしまった。老人パワーを目の当たりにした。ただ、食事は2番目に高価な膳を頼んでいたのに、半分以上残していたので勿体無いなぁと思ってしまった。

食事も終え、すぐそばのホテルに徒歩で移動。割り当てられた部屋で本日の埃を払った。今回の旅はブルジョワ感満載だと思っていたのだが、ホテルは普通のビジネスホテルで、総合費用から換算するとちょっと質が劣っていた感じがした。ただ、一人一部屋は良かった。

体調が思わしくないとは言いながら、折角の弘前なので、先輩と二人で街に繰り出し、ちょっとした居酒屋で日本酒を舐めながら、本日の前向きな反省会を行った。

二日目。朝食はビュッフェ形式でまあまあ満足。ちょっと食べ過ぎぐらい。8時半出発で本日のというかこの度の目玉、八幡平の頂きにあるドラゴンアイに向かう。けど、その前に車内昼食用の食材を買いにスーパーに立ち寄り。この行動はどうやらテッパンの様で、昼食時も移動に充てるためだそうだ。従って翌日も同じ行動となる。

さてドラゴンアイ。出発時は天気も回復し晴れていたのだが、山を登るにつれ雲の中に突入する形となって、ザーザーとわ言わないが、シトシトとじんわり身体を冷やす程度の雨の様な霧で視界もだいぶ狭くなったので、コリャアだめだと思いながら、秋田県岩手県の県境付近の駐車場から山頂に向けて、雨中の小さな登山を開始した。途中雨に濡れた植物や、雪の為に垂れ下がった木の枝を写しながら、残雪というか積雪の道を20分ぐらい登って現場に到着。なんとこんな天候の中でもしっかりと現れたドラゴンアイ。お見事。山頂の沼に雪が積もり、この時期なると沼の外周から雪が溶け、コバルトブルーの水面がドーナツ状に現れる、まさしく竜眼、よくぞこの名前を思いついたものだと感心する程、素晴らしい自然の芸術。しばし魅入ってしまった。

この間、シトシトは続いており、駐車場まで戻った時は心底冷えて、こりゃダメかもと思ったが休憩所のストーブでなんとか持ち堪えられた。よかった。

このドラゴンアイを見られただけでも来て良かったと思った。この時期を逃すと見られないので、これだけ見に東北には来ないし、東北に行ったとしてもこの時期には行かないだろうから、一生に一度見ることができたのはとても良かった。

この後は、これ以上の感動は無いだろうと思いながらの観光で、滝やら沼やら見て回ったのだが、とんでも無いものを見て改めて心が揺さぶられた。八幡平には違いないのだがなんという場所かは不明で、河原に出ていきなり迫ってくる柱状断層、これもまたお見事って唸ってしまった。これもまた、自然が作り出したアート。ドラゴンアイは雨なのに人は大勢居たのに対して、この断層の所は晴れているにもかかわらず、我々しか居ない穴場であった。

写真ではイマイチだが現物の壮観さは現場でしかわからないと思う。

予想外の感動を尻目に次なるスポットへ移動、溶岩が固まって鬼押しだしみたいな所、岩手山焼走りを経由して、二日目の宿のある盛岡市内に向かう。

ここでのホテルも普通のビジネスホテルでやはり一人一部屋。駐車場への道が狭くすったもんだしたがなんとか到着。この日の晩御飯は何も考えてなく、到着後に再度ロビーに集まってそこで決めるとの事。エスコート役の先生と運転手が地図を片手に皆んなが入れそうな所を片っ端から電話しまくっていたがなかなか見つからず。私と先輩はどうしても盛岡冷麺を食べたくツアーから外れて単独行動して盛岡の街を散策しながら食事どころを探す。面白い店を発見し冷麺も有りそうなのでそこに決めて入店。面白いというのは、入店料千円払って中での品物はほぼ原価の値段で提供されるという所。お酒も飲んでまあまあの食事代にはなってしまったが肉をあまり食さない自分が美味しいと思った焼き肉を食べることができたのでとりあえず満足。次の日は出発が早いので早々にホテルに戻って就寝となった。

後で聞いた話。その他の方々のこの日の夕食は結局適当な店が見つからず、最高齢姉妹はホテルの部屋でカップ麺啜りながらの日本酒だったそうだ。

三日目。小岩井農場の日の出の写真を撮るとの事で、早朝3時半ごろ出発。うっすら明るくなった頃に目的地に到着したが、残念な事にどんよりとした雲がかかって日の出は拝めず。行った場所は一本桜で有名な場所なのだが残念、朝日が出てたらとても良い景観だったろうに。

この場に朝4時から約1時間それでも日差しが出る事を期待して滞在しだが思うようにはならないもんだ。

日差しを諦め農場を走っていると牧場なので当たり前ではあるが牛がいた。何頭も広い草原で草を食べていた。ここも撮影スポットなので車を降りて撮影していると、先生の所に柵越しではあるが数十頭の牛が怒涛ののごとく集まってきてこれはこれで壮観な光景であった。

牛って走るんだって当たり前の事に感心してしまっていた。

次のポイントは田沢湖。澄んだ水の湖ではあったが特に感動も無し。ドライブインの中に200円で秋田犬が見られるとの事でお金を払って入場。いたいた。二匹。ぐてっとしたのが二匹だけ。なぜかニワトリも3羽ほど。昔の見世物小屋を思い出した。

旅もそろそろ終わりに近づき、次に向かったのが秋扇湖。水没林で有名な所で、無知なものだから、ずっとこの状態なんだと思っていたが、ここもこの時期、雪解け水が溜まる時期だけ水没林になるって知らなかった。この池の所に500mぐらいの橋がかかっており、何とここで1時間撮影タイム。写真にまだ執着していない自分にとっては時間を弄んで、暇で暇でしょうがなかった。何回も同じ所を撮ったりしてとにかく一生懸命時間を潰した。

オーラスは宝仙湖。玉川ダムがある所。ここも特に惹きつけるものはなかった。

ここを持って本撮影旅行は終了し、一路青森空港へ。17時台の飛行機に乗り無事羽田に到着したのであった。総写真撮影数、約250枚。ツアー費用約10万円プラス昼、夜の食事代、お土産代。高くはついたが充実した旅であった。やはり当地をよく知っているガイドが居ると良いもんだと実感した。


後日談ではあるが、この度一眼レフのデジカメを初めて手にして自由にバシバシ撮り、それが心地良い事がわかった。撮る時のバシャって音もそうだが、どこをどう撮ろうと考えたり、撮った後すぐ撮れ質も確認でき、思う様に撮れてた時はある種の快感であった。だもんで、カメラを返す前に、一人で鎌倉行って紫陽花などを撮影している自分を発見した。