5/7 午後二時の証言者たち 読了

午後二時に小学生が交通事故で亡くなってしまった。事故の当事者、偶然その場に居た目撃者、最寄病院の担当外科医、当事者の家族、のそれぞれのことを書いている小説。この人達のうち、加害者と外科医が巧妙な手口で殺され、誰が犯人なんだろうと言うミステリ。当然、被害者の身内が加害者を殺人すると言うのは頷けるが、同じ様な手口、亡くなった小学生と同じ様な死因、で外科医まで殺されてしまう。この外科医は、その当時、救急車からの怪我人受け入れの要請を受けたが、受け入れる義務のない病院であり、受け入れても助かる見込みが無いと判断し受け入れを断った。ここまでは法的にも人道的にも問題無いのだが、断った後の行動が問題をややこしくする。要は不倫相手と合ってたのだ。人の生き死にの裏で個人的に逢瀬を楽しむ医者、法的には問題無いが人道的にNGだろう。ただこう書くと犯人は被害者の家族としか判断でき無いのだが、この医者、過去に自分の出世のために手を切った人も身近に居たりして、なかなかいろんな所に敵がいる、当然奥さんもその1人。と言うことでミステリが膨らんでいく。

最終的には腑に落ちるのだが、個人的にはもっと話がこじれるのかなぁと期待していたので物足りなさはあった。

犯人の心情とか最後の結末とかはキチンとしていたけど、その他の、特に前半の登場人物達の後始末がどうなったのかが気になった。

親子の愛情って浅くてはダメだし、深過ぎてもダメだし、幸せってなんだろうって考えさせられた。後、なんとなくだけど、今までの乏しい情報源からだけだけど、不倫って何となく悪いことではなくなってきている感がするのだが、自分だけだろうか。どっちかと言うとステータスと言うかハクがつくというか、やって当たり前、やった人をどう見るかと言う第三者に、その倫理観を求められている感じがするのだが。