12/11 殺戮にいたる病 完読

書店のポップを読み、必ずもう一回読み直すと書いてあったので、ホントかよと思い購入。

猟奇殺人をした犯人と、その家族と、犯人を追及していく元刑事の三人の視点でそれぞれの時間経過が入り乱れて書かれている、サスペンスもの。
猟奇殺人が尋常じゃない程、陰惨で、犯人の心情もそれに合わせて描かれており、正直、この私でも気持ち悪いと思った。そんな殺人を家族が少しづつ気付いていき、そんな事はないと思いつつも、どんどん犯人像に近づいて行き、どうする事もできない状態のまま、クライマックスを迎える様は物凄く痛ましく思った。犯人を追う刑事も、その犯人の被害者となった女性と、微妙な関係で、犯人を追うつもりはなかったのだが、ひょんなことから追わざるを得ない様になってしまい、ギリギリな所で真相にたどり着く。三人のことが入り乱れて描かれており、あっち行ったりこっちにいったりするのだが、先に進むにつれ、わかりやすく一点にたどり着いていく。お見事。その上でである。
最初から犯人がわかっており、コロンボとか古畑みたいに心理的に犯人を追求していくものと思って読んでいたのだが、最後の数ページで、え?え?え?という感じで、結論を読む前にページをめくって前の方を確認したりする程、理解がついていかない結末だった。最後まで読んでも、解説読んでも、何で?どうなってんの?と言う感じ。
正直、全部ではないが、最初から最後まで、ざっと読み返して確認してしまった。ポップに書いてあったもう一度読み直す、は本当だった。
読み返してなる程、勝手に思い込んでただけだった。この意外性は本当によくできていると思った。