12/30 99%の誘拐 完読

物凄く展開の早い誘拐物。第1章で一つの誘拐事件が起こり、犯人は捕まらないまま迷宮入りとなる完全犯罪で幕を閉じてしまう。それを、誘拐された少年の父親が死ぬ間際に息子宛に綴った手紙を中心に書いてあり、それだけでも、凄いと思って読んでいった。2章以降は、その十何年後の話しで同じ様な誘拐事件を記しているのだが、初めから犯人がわかっている形式で進められていき、その手口が当時のハイテクを使ったもので、物凄く面白い。

身代金を運ぶ所は、西に行ったり、北に行ったりいろんな所を行ったり来たりして紀行の様で読みやすかった。
ここ2、3作は、前半と後半で違う犯罪が起こって、最後に両者が絡んでいる事がわかる形式の本ばかりである。流行っているのか偶然なのか。
ふと題名を見ると、99%ってなっているけど、両者とも、完全な誘拐だったのに何で1%足りないんだろう。世間的には完全犯罪だけど、知っている人がいる、という事で1%なのだろうか。