8/15 あなたが消えた夜に 完読

コートの男が起こしたとされる連続殺人事件を二人の刑事が追って行く小説なのだが、前半は警察という縦社会組織の中で、思うように操作ができない中、犯人を追い詰めて行くという流れで進み、後半は、犯人が分かり、その犯人の手記で、犯罪に手を汚した心情がこれでもかと言うぐらい続いていき、連続殺人の真相もわかっていくと言う小説。

この犯人もそうだが、登場人物の殆どが、加害者も、被害者も、それに関係する人も、追っている警察までも、過去に酷い経験をして精神的に不安定な人ばかりで、読みようによっては三島幸男を思い出した。
前半の犯人を追っている所では、要所要所で、誰が殺され、誰がどう関係しているかを思い出させてくれる様、整理して説明してあるので、とてもわかりやすい。しかし、真相が複雑なため、それでもこんがらがってしまう小説であった。
最後は辻褄が合って良かったが、精神が崩壊した人の行動は如何様にも書けるので、感動というとこまでは行かなかった。