6/25 本日は、お日柄もよく 完読

この本も、ずっと本屋の平台に乗っていて気になっていて、その周りに原田マハさんの他の本もずらっと並んでいて、いつか読もうと思っていた本。

この感想を書くまで、浜田マハさんだとずっと勘違いしていて、回文になってる名前だ、と感心していたんだけど、ハマダラハ、だった。なんか残念なような、そうでもないような。

読んでビックリ。物凄く面白かったし、ためになった。OLの主人公が、スピーチライターなる職業に転職して、成長していく物語なのだが、転職するきっかけとか、成長していくきっかけとか、面白いと言うか、感動ものだった。喫茶店や電車の中で読んでいるのだが、何回か目頭が熱くなった。特に最初のスピーチライターの祝辞が良かった。たった数分のスピーチでこうにも人の心を動かすことができるのかと、その力を体感してしまった。スピーチライターって、偉い人の挨拶とか祝辞を一緒になって考える人なんだけど、その最も活用されているのが選挙演説で、この本も、後半は衆議院だか参議院だかの選挙の話しになってくる。選挙の世界なんか全く知らない私が、選挙ってそういうものなのかとすぐに胸に入ってくるように、簡潔に綴られていて、とてもわかりやすかった。その知識力、文章力は目を見張るものがあると思った。

以下は若干ネタバレになるのだが、主人公の成長が余りにも早すぎると感じた。いくら素質があって、最高峰の師匠に師事したとは言え、転職して数年内に、政治のせの字も知らなかった人が大事な選挙区の候補者のスピーチライターになって勝ってしまうのだから、できすぎ。加えて結婚だなんて。もっと、挫折とか苦悩とか、そこからの這い上がりとか、を見たかった。

でも、その事を差し引いても面白いものは面白い。いつか何かの挨拶をしなければならない時は、読み返してみよう。無いだろうけど。

本日は、お日柄もよく、この題名の言葉はとても良い言葉と書いてあったけど、どう良いのかもう少し説明してほしかった。

解説で原田マハさんの「楽園のカンヴァス」が感動したとあったので、次もマハさんかな。