11/13 死者と言葉を交わすなかれ 完読

京大生が100%騙されたと言う帯に吊られて購入。探偵が巻き込まれた事件を解決する小説なのだが、その探偵の名前が変わっててまずそこに惹かれた。主人公は「不狼煙」と書いて「のろさず」、探偵助手でワトソン役、その上司の探偵は「箒山」と書いて「ほうきやま」。二人とも女性。ネットで検索してみると箒山は地名にもあるし一般的な様だが、不狼煙はヒットしなかった。中盤まで、何で読むんだっけと前をめくってしまった。

さて、物語。この二人が浮気調査で追いかけていたターゲットが、車の中で心臓麻痺で死んだ。仕掛けていた盗聴器には、確実に誰かと会話している様子だけど、相手の声が一切入ってなく、丁度その会話していた場所が亡くなった妹の墓地で、その妹との会話の様である。かつ、そっちの世界とかと言った言葉も多分に入っており、多分にオカルト的な状況。この真相を突き詰めて解明して行くと言う物。
真相を解明して行く様は、何のことやらと思いながら読んでいたが、真相を知りたいために、ツルツル読んでいった。そう言う意味では面白いし、まだ半分くらいページが残っているのにほぼ解決してしまって、この後どんな展開するんだろうという期待感もあり、面白さが更に増していった。落ちでは、えーとはなったが、結構楽しめた。また、この本のテーマでもある死後の世界感にも惹かれた。このくだりの哲学は私には斬新でとてもおもしろかった。かなり突飛な考え方ではあるが、なるほどと頷いていた。
死んだら無になる、無になったら今まで生きてた事も無になるので、何のために生きているのだろう、とか、死ぬということは自分が居ない世界の、別な世界に存在するという事で、死ぬと言うことはないんだと言う考え方とか、深いところまでは理解できないものの、何か腑に落ちるところがあった。