8/2 殺人都市川崎 完読

舞台が川崎という事で購入。要所要所で、川崎の有名どころが出てきて身近に感じた小説だった。ページ数、内容を見ると、多分1日で読める本だと思うが、1週間かかってしまった。ただ単に読むタイミングが無かっただけなのだが。

中学を卒業した少年と少女が主人公で、未解決の殺人事件で、川崎の伝説となっている犯人に、かたや襲われ、かたや真相を追っていくという2次元での展開。
以前読んだ「模倣の殺意」に似た所がある様に感じた。
川崎区と小杉の対比を物凄く強調していて、ここまで川崎区を悪く言わなくてもと思ったが、結末を考えたら必要だったのだろう。

7/26 ファントム・ピークス 完読

本の帯に宮部みゆきさんが絶賛していると書いてあったので購入。十年前に書かれた本でこう言う本が面白いとあったので、期待大で読んだ。

結果、面白いのは面白いが、ふーんって感じかな。奥さんの体調の為、田舎暮らしを始め、幸せな生活をしていたところで、奥さんが行方不明。数年後かなり離れたところで頭蓋骨が発見された。その真相を探るべく、日々仕事の合間に探索をしているところで、第2、第3の失踪が立て続けに起こる。さあ犯人は?と言う内容。
以下ネタバレ。
結構前の方で大型動物の仕業ではないかと言っており、まさかそれで終わるのではないよねと思いながら進んで行くのだが、結局は野生のヒグマが犯人で、犯人探しの小説であったら、なんじゃこりゃぁと言ったところ。
ただ、テーマは犯人探しでは無く、人に飼われてしまった動物達の悲哀とか、不要になった動物達の処分の仕方だとか、人と動物達、ひいては人と自然の共存あり方に付いて、問題を投げかけていることがテーマなので、色々考えさせられる本ではあった。

7/16 高校事変Ⅶ 完読

1ヶ月振りの読書。大好きな高校事変なのに、時間を要してしまった。

毎回感想で書くが、今度も、コロナの影響で自粛の時期に合わせて、もしくはその先を読んでの事変で、加えて、武蔵小杉が頻繁に出てくるため、とてもフィクションとは思えず、身近な事変を書いている様に感じる。オリンピックの延期、もしかして中止とか、も物語の内容にかなり絡んでくる。こんなタイムリーに小説って書けるものなのだろうか。
今回は甲子園が舞台なのだが、甲子園の構造を知っているともっと臨場感があっだろうと思う。
前半、過去の話だったのでうーんという感じだったが、きっちり後半に繋がっていて、やっぱり面白い。逆に前半の部分で、以前知りたかった結衣がなぜこうなったのかを上手く伝えている。お見事。
後半で、青春とは、若さとはと言った文が出てくるのだけれど、歳を取るにつれ将来を予測して行動に移るようになるが、その将来を今日、明日のレンジでとらえらて行動できるのが若さであり、青春なんだろう、とあった。なるほどと思って、自分を振り返って見ると、この歳になって未だに将来を身近な事として捉えて行動している感あり、まだ若いんだと一瞬思ったが、ただ単に大人になれていないだけだと再認識した。
刊が増えるにつれ、結衣の理解者が増えているのは良かったと思うのだが、本当に理解して良いのかどうか、目には目をで良いのか、が問われているのだろうと感じる。
最後にまたもや新たなきょうだいが登場し、新たな展開が楽しみである。

7/1 映画の日 ランボーLast Blood 観賞

昨年スタローンの大脱出観て最悪だったのであまり期待せず観た所、結構面白かった。殺りくのシーンは過激過ぎると感じたが、ランボーの怒りの度合いを表すには必要だったのかも。

今回のランボーは、1作目の様にじぶんを守るためだけでなく、また、2作目以降の様に誰かに依頼されるでもなく、自分の身内の為に1人で殺りくに及ぶ内容。前半、スタローンは、今までの経緯を心の奥底に隠しながら、牧場の好々爺を演じていたのだが、その人物像に惹かれてしまった。こんな年寄りになりたいものだと感じた。
ストーリーにしても、私としては非常に意外な展開だったので、感動するばめんもあった。
最後のランボーとうたっているけど、まだやりそうな感が残るラストであった。
観ている途中、小説の高校事変に似ていると感じた。映画でこれだけの殺りくシーン出せるのなら、高校事変も映画化できるのではないかと思っている。

6/10 新撰組 最後の勇士たち 完読

これも病院の売店で購入。退院に合わせて完読できそうな物を選択。なので、そんなにも期待していなかった本。ましてや、前2冊が余り面白くなかったので、流し読み感覚で読み始めた本。

最初はとっつきにくかったが、読んでいく内にのめり込んでいった。新撰組って幕末の頃のことしか知らず、さして興味も無かったので、特に維新後の生き残りの事などまるで知らなかった。読んでいて、ラストサムライを思い出した。
維新後の新しい世の中になっていく中、生き残った隊士達は、武士として最期まで幕府に忠義を持って生きるか、新しい時代の中で新たな力を発揮させるか考え方の葛藤をよく表していた。
新政府となった直後については余り認識がなかったのだが、この小説では、トウキョウの状況が絵的にも空想できる様な書き方がされていたため、状況が良く分かった。

6/7 あるいは修羅の十億年 完読

これも病院の売店で購入した本。オリンピック後の東京と日本を描く驚異の年代記っ帯に書いてあり、ページをめくると35の章に分かれているので読みやすいだろうと思い購入。

正直何が言いたいのか良くわからなかったし、最後まで読むのが辛かった。
オリンピック後と言うよりは、東日本大震災で2ヶ所の原発が爆発したと言う想定でのその後の日本?東京?福島?の話し。被災地は、日本の管轄下から離れ、諸外国の研究エリアになっており、その中に元々住んでいるまたは住んでいた人たちの話し。ポイントは、鯨と馬と菌なのであるが、私にはその繋がりが全くわからなかった。1章ごとにそれぞれのポイントの話が入れ替わっていくのであるが、最後に上手く噛み合うのかと思っていたのに何の関わりも見つけ出せなかった。読解力の無さか。
そんな中で、被災地の人がITを使って、東京の人間をアバターの様にして情報を得、のし上がっていく様はよく考えているなぁと思った。

5/21 祖国の選択 完読

これも病院の売店で購入。中国残留孤児の内容なので、大地の子を思い出し、泣きたい気分もあったので選んだ。

結論から言うと、全く泣けなかった。当時、満州から引き揚げられた方々の生の声で、その時の悲惨さを語られる、オムニバスなのだが、悲惨さやその時の状況などで、想像もつかない様な大変な事象や思いが、有るのだろうが、いかんせん、生存でき、日本に帰る事ができ、家庭ができ、ある程度の生活ができた方々の回顧であるので、そうだったんだ、という感想しか浮かばなかった。
腹立たしいのが日本軍、一般市民を置いてけぼりしてサッサと引き揚げたこと。これが全ての元凶だろうと思う。昔も今も、政府が下り坂になると、自分可愛さで国民を見る事ができなくなるのだろう。
勉強不足で驚いたのが、日本て中国の奥の奥まで進行していて、ひょっとしたら、中国全土も日本のぞっこくになってたかも知れない事。満州の一部だけだと思っていた。そう考えると、残留孤児の事より、その時占領されて行った、朝鮮半島や中国の一般市民の方々の方が、占領後も、奴隷の様な扱いを受けたりして、もっと悲惨な目に合っていたのでは、と考えてしまう。
そんな状況下なのに、満州人やモンゴル人、中国人の一般の方々は、残された日本の子供を引き取り我が子の様に育ててくれていた、という事に頭が下がる思いがする。普通だったら、憎っくき日本人として放ったらかしにすると思うのだが。
この本は、結論として、戦争の悲惨さを生で語る方々が高齢となり亡くなって行く中、いろんな形で語り伝えて行かなくてはならないとしている。それは良い事だと思うが、日本の中だけでなく、世界、主には日本が攻めて行った国々の方々の回顧も合わせないと、本当の戦争=悪と言うものは伝わらないと思う。