10/7 逃亡刑事 読了

スピード感あり面白かった。同じ県警の署員が殺され、その犯人追及に任命されたのが、主人公の女性刑事。この人のキャラクターが面白い。男性よりも強く、犯人を挙げるためには上司の命令もなんのその、言葉遣いも荒く、部下に対してもパワハラまがいの対応、歳は30過ぎで、自分の性格も熟知しているので、結婚も出産も人生の選択肢から消してしまっている、周囲からは「県警のアマゾネス」と言われている、そういう人。

ある所まで、犯人像が明確になったところで、犯人の陰謀にハマり、逃亡を余儀なくされる。唯一の目撃者、施設で虐待を受けているが、人生を達観した様な8歳児、も犯人の手に落ちる可能性もあるため、その子供と刑事の逃避行が始まっていく。

この主人公、行動力だけでなく、知恵、機転、もすこぶる良く、相手の手の内を熟慮して、自分の行動を検討して実行する、が、犯人は更にその上をいき、またピンチになる、この攻防取が結構面白かった。

刑事なのにヤクザとつるんだり、ドヤ街のホームレス達にに助けられたり、心が折れそうな時に、一緒に逃げている少年に励まされたり、少年との間に、妙な感情が湧いたりと、ハードボイルドだけでなく、ソフトな面も織り込んでありページを捲るのが早くなっていく。

最後は痛快ではあるが、もうちょっと鉄槌があっても良かったのかとも思った。