9/19 ミュージカル 夜の女たち 鑑賞

感動した。観ようと思ったのは、江口さんや前田さん、伊原さんといった有名人が出るというミーハー的な動機で、戦後の話で、しかも娼婦になっていく女性たちの事を、ミュージカル?絶対に伝わらないと思ったので、どんなんか観たかったから。チケット予約解禁直後申し込んだが取れなくて諦めていた所、楽日の席が空いていたので速攻購入した。

舞台は緞帳なしの開帳場、開帳場と上下袖幕の間にに楽団ピット、その手前には開帳場と上下袖幕をつなぐプラットホーム。昔所属していたアマチュア劇団の舞台装置そっくりで、なんだか懐かしかった。開帳場が客席にはみ出していたらもっと似てただろう。加えて、幕開きは無言、音楽無しで、小うるさい靴音を響かせながら、戦後のまち、食えない飢えた住民を表すプラカードを掲げ、開帳場でのダンス、音楽、幕開きの合唱へと続く。ホント、元いた劇団にソックリ。

幕開きからの靴音が気になったり、江口さんの歌が、前田さんや井原さんに比べて、んーって感じだっので、大丈夫か?なんてアウェー感バリバリだっのだが、ちょっと経つと、靴音は雑音じゃなく、むしろ効果音として使ってるのでは?と思うようになり、江口さんの歌は、なんで言うか、歌手の歌でなく、役本人の心の言葉の様な感じがしてきて、徐々に世界に引き込まれていく。敗戦を境に、夜の世界に行かざるをえなかった3人の女性、姉妹といとこになるのかな、を追っていく物語。

江口さん演じるのは、軍人の妻で、小さな子供わ連れ、親戚の家に疎開、結局夫も子供も死んでしまい天涯孤独となり、それでも貞操観念はしっかりもっていたのだが、ある事をキッカケに、この世の中に対して復習する一心で夜の街へと流れていく。前田さん演じるのは、その妹で、両親と一緒に満洲だったか、占領地で暮らしており、終戦後は逃げる様に日本に戻ってくるのだが、その際に体を汚され、ダンサーとして夜の街へ流れていく。井原さんは、江口さんの疎開先の娘で、都会に憧れ、家を飛び出し、ものの見事に男に騙されて、身も心もズタズタにされていく。

こんな内容でミュージカルで成り立っているからすごい。自然に涙が出るシーンもあり、結構感動した。

このミュージカル、大昔、同じ題材の映画を観た演出家が、これはミュージカルにできるって思って作ったんだとか。演出家もさる事ながら、音楽作った作曲家も天才だね。