10/1 タイムカプセル 読了

イマイチかな。

10年前の中学生の時、記念に埋めたタイムカプセル。10年後に開ける約束をして、それぞれの道に進み、異なった10年間を過ごしていた。そこに舞い込んだ、タイムカプセルを開けるセレモニーの手紙。切手の無い、郵便業務のやっていない時間に届く手紙。

タイムカプセルを埋めたメンバーは9人。お金の関係で、クラス全員でなく有志の9人と言うのが面白い。そもそも、そんな事無いよなと言うシチュエーション。その9人の中には、担任の先生と、不登校の生徒2名が入っている。それもありえないよなぁ。

残りの5人のうち、一人は卒業間近事故を起こして、卒業式にも出れず、タイムカプセルを埋めるところにも立ち会えなかった女性、この女性目線で物語は進んでいく。

タイムカプセルの儀式自体なんの問題も無いのだが、この主役の女性はカメラマンで、この行事の記録を取りたいと、掘り出すまえから、関係者の取材を始める、それに乗じたようにミステリアスなことが次々と起きていき、関係者の一人が行方不明になり、事件性も帯びてくる。

最終的には誰がどうしたかは解明されるのであるが、なんかふーんって感じで終わって後味が悪い。

犯人はどうやって手紙を皆に渡せたのだろうかとかとか、犯人の一言「目的のためならなんだってやる」で集約されていて、これだったらなんでもありだよなって感じ。

物語は、現代と10年前を行ったり来たり、誰なのかはわからないが、その人の描写は太字の文字で書いたりとか、最たるものは、最後の種明かしは文庫本なのに袋綴じになっているとか色んな趣向を凝らしていて、やり過ぎじゃ無い?ってくらい。正直、この袋綴じに釣られて買ったのだが。結果、わざわざ袋綴じにしなくても、と思う内容だったけど。反面、解説に書いてあったけど、この様な手法が画期的だって賞賛はしていた。