7/10 笑うハーレキン 完読


一人息子が死に、自分の会社が倒産し、離婚しホームレス生活をしている家具屋の話し。厄病神は出てくるは、突然得体の知れない女の子が舞い込んでくるは、それぞれの会話や独り言が意味深であるは、ホームレスの面々が個性的であるは、とにかく、いろんな事柄が次々出てきて、それがまたわかりやすく、次から次へとページをめくっていった。

後半の急展開からどうなって行くのと首をひねりながら読むと、見事に全てが絡み合って、胸のすく一冊であった。
個人的には謎の女の子の正体がもっとオカルト的なものかと思って読んでいたので、ちょっと拍子抜けした感ありたが、推理物の様な、サスペンス物の様な、人情物の様なで、とてもおもしろかった。
人って、本音で生きていることが少なく、何かしらの仮面を付けて、周りに迎合しているもので、それができない人は、社会に溶け込めず、それを良しとするか否とするかはあるけれど、社会の方から拒絶されて行き、落ちるとこまで落ちていく。けれど、どこかでブレーキがかかり、その思いが、疫病神となって現れたのだろう。