7/13 人間失格 完読


今頃?と言われても仕方がないけど、初めて太宰治を読んだ。解説に書いてあったが、完結した小説で最後に書いたものとか。自叙伝をフィクション的に書いたもので、なんか遺書の様でもあった。
自分の意思に反して、周りに合わせた生き方を幼少の頃から続け、とにかく人を信じきれないでいる人の心境が綴られたもの。
先に読んだ笑うハーレキンでは、自分に取り憑いた疫病神に仮面をかぶせていたが、こちらは、自分自身に見えない仮面をかぶせ、人と接する時は、相槌を打ちながら心でベロを出しており、気に入らなければ心中、と言うとんでもない失格者の話。
人間誰しも、仮面をかぶる事は有り、ベロ出しながら会話する事だって有るのはわかるが、どう言う形にしろ、他人を傷付けては、失格だな。
三島由紀夫仮面の告白林芙美子の放浪記に似た内容だと感じ、文学作品ってこんなのが多いのかな。