2/23 BUTTER 完読

週刊誌の女性記者が、殺人の罪で留置所にいる女性のインタビューを週刊誌に載せようとするも、その女性の生き様に翻弄され、自分だけでなく友人までも巻き込み、壊れてしまうのだが、自力で立ち直っていくと言うお話。

この女性記者は、仕事一点張りで、数人の友達はいるも、家庭的な事を一切しない人で、片や留置所の女性は、見た目はパッとしないのだが、男を魅了して、その男達を自殺や事故で死んでいき、殺人の疑いがかかり起訴されていると言う人。その魅了の手段が料理といういう事で、女性記者は少しでも留置所の女性の心情に近づくため、言われるがままに、自分で料理を行い、少しづつその魅力の虜になっていき、留置所の女性の手のひらで転がされていく。それを助けようとした友人も、留置所の女性の餌食になり、精神を病んでいく。何となく羊達の沈黙を思い出した。このコントロールされた二人には、過去、親との関係で心の片隅に傷を持っているので、容易にコントロールされていく事は理解できるが、留置所の女性も、女性記者を助ける男性も過去に家族との絆で傷を負っているので、あまりに同じような境遇の人が集まりすぎる感はあった。

料理がキーになっているため、調理の表現や食べている時の表現が見事で、全く料理をしない自分でも、なんか作ってみたくなった。

女性特有なのか、自分があまりにも知慮が足りないのかはわからないが、人と会話をしている時とか、料理を作っている時とか、こんなにもいろんな事を考えている物なのかと感じた。この思考が一般的な物ならば、自分の人生、何も考えてなかったんだなと今更ながら反省する。