2/4 ホワイトラビット 完読

伊坂幸太郎さんの本は2冊目。一昨年の今頃、マリアビートルを読んだ。今回は、新潮文庫の紅白本合戦で男性一位だったので購入。マリアビートルでは殺し屋達の攻防の話しで、今回は、誘拐、強盗、泥棒、立て籠もりの話しなのだが、これら犯罪者を、普通の一般の方のような表現で現す作家である事がわかった。やってる事は世間的にも人情的にも酷いことをやっているのに、何故か嫌悪感が湧いてこない。読んだ2冊が両方とも同じ様な感想なので、作者の根底にその様なコンセプトがあるんだろうなと感じた。

要所要所でユーゴーレミゼの事や、オリオン座の事が散りばめられており、ちょっとめんどくさいなぁと思い読んでいたのだが、これらも計算されての挿入であり、加えて立て籠もりの現場が仙台市内というのも考えがあった上での選択だと解説に書いてあった。思い返すと、さりげなく書かれている内容ではあるが、意味のある内容だと理解できた。読みが足りなかった。
罪の基準の事が書かれていて、何を持って罪とするのかとか、時代や場所などによっても罪の基準は違うものといった事が書いてあり、それがレミゼとも重なり成る程、と思ったりした。
そういえば、マリアビートルでも、何故殺人はいけないの?といった哲学的な問いかけがテーマだった事を思い出した。