1/19 山本五十六の乾坤一擲 完読


久々に完読した。買ったのが12/25で、ようやく読み終えた。
この12月末は扁桃炎で高熱を発してのたうち回っていたので本どころでは無かった。
加えて年明けは、頭のふらつきがあり、本を読む気にならなかった。
ので久々。
近代史はほとんど読んだことがなく、物凄くお大雑把しかし知らないので、山本五十六連合艦隊司令長官であり、名前ぐらいは知っているけれど、その人となりや、生い立ちや、やった事は興味もなかったので、読むこととした。
読み終わっての第一印象。太平洋戦争の開戦に至るまでの大筋と関わった人物を大まかに知ってないとこの本は面白く無い。題名が「山本五十六の乾坤一擲」とあったから、山本五十六主人公で話が進むと思っていたが全く違っていたので想像してたものと違った。
要するに今まで史実で語られていた内容と違う事実、山本五十六のやった事、をいろんな人の日記や談話などで明らかにした物であった。ものすごく簡単に書くと、主戦論者と思われていた山本五十六は実は開戦を決める前日、この戦争はするべきでは無いということを、天皇に伝えるために、一か八かの大勝負=乾坤一擲をしていた事を明かにしている本。
その事を伝えるために事前の情報が必要とは言え、山本五十六が出てくるのは後半からで、それまでは、今まで真実だと思われていた内容をこれでもかと言うぐらい綴っている。しかも、良いところまで書いておいて、詳細は後の章に譲るという手法が何と多い事。何度ここで言うてくれと思ったか。似たような表現で、この先は後の章で詳しく書くが少しだけ触れておこう。これも多かった。RGのあるある言いたいの歌かと言うぐらいもどかしい。それに加えて、確かに後の章できちんと説明は有ったが、前述した事だが、とか前にも記したがとかの表現が多すぎだと思った。結論を最後に劇的に持っていく手法なのだろうけど。
そんな中でパネー号事件で山本五十六がやった事だけは、後で書くと言っておきながら、書いてなかった。残念。
後、時系列が行ったり来たりした事、人物を表すときに氏名で記したり、称号で記したり、苗字だけで記したりしてたので、とても読み辛かった。
山本五十六だけでなく、多くの人がアメリカとの戦争は避けるべきだと動いていたのに何故、開戦してしまったのかは、内大臣 木戸幸一のせいだ、彼の保身の為、となっていたが本当にそうだろうか。その時の決定機関の内容のせいだと私は思う。全てお膳立てして、最後の御前会議では確認だけ、ここで物申すことができない機関だからではないだろうか。それとその当時の天皇崇拝の教育にも問題があると思う。天皇に恥を欠かさない為、天皇が決定したことは絶対、天皇を守る為、と言ったそれぞれの考え方が、望んでない方に進んでいった大きな要因ではないだろうか。今の政治家や官僚機関、大会社皆そうだと思うが。忖度と言うのですかね。
私は、思う。乾坤一擲=一か八かの大勝負、と謳うのであれば、この当時であるならば、死を突してでも、要するに天皇の意向にに逆らっても、直訴しにいくのが本当では無いだろうか。悲しいかな軍人の性により、天皇が決めたことは絶対でありそれに従う事が臣下の務めだったんだろうな。
相手は天皇ではないが、大政奉還も同じ様ものだったのではないだろうか。