9/23 「子供を殺してください」と言う親たち 完読


絶唱を読んだ後、ちょっと間が空いたので本屋で面白そうなものを物色してみた。いくつか面白そうなものが有ったが、子供を殺して欲しいと言う親の心境ってどんなものなのだろうと言う興味が起き購読。
著者は、心の病を発症している人を病院に送り届ける仕事をしている人。読む前は、ただの運転手じゃんと思っていたが、その大変さが良く解った。
患者本人やその家族が、病気では無いと思っていたり、暴力や殺傷を平気でしてしまう患者が居たり、警察に立ち会ってもらったり。
でも、その大変さの前に、患者達の事例が冒頭何件か紹介されているのであるが、本当にこんな人が居るのかと疑うほど、凄まじい物ばかりでビックリした。それに加えて、この様な人は年々増えていると言う。世間を知らない自分に重ねてビックリした。
ここに挙げている事例の様な子供が居たら、子供を殺して下さいと思うだろうと、この段階では実感してしまった。特に患者の年齢層が上がっていて、30代、40代の方が増えているとか、イクォール、親の年齢は60代、70代と高齢化しており、体力的にも精神的にも対応ができにくくなっているので尚更であろう。
ただ、読んでいくと解ってくるのだが、殆どの場合、親の接し方に問題があるのだそうだ。仕事の関係で子供との会話がほとんど無いとか、子供の事を甘やかせ過ぎて子供の言いなりになったりとか。
まだ、自分は病気だと認識して、治療しようという意思があれば、まだ回復の余地はあるのであろうが、そうで無い場合、病院でもずっと入院させてくれなくなり、長期の治療を、するすべも無く、学校でのイジメに似て、対処のしようがないのでは無いか。
この本では、警察のOBが、その様な患者を受け入れて、治療に結びつける機関を作ったらどうかと提案してあった。でも、これだけその様な患者が増えているのなら、OBと言わず、警察でも無い、特別な機関を作るべきだと思う。