9/14 白砂 完読


帯に、涙腺崩壊と書いてあったので購入。結果、一粒の涙も出なかった。感受性が無いのかとも思ったが、前読の日航機の客室乗務員のくだりでは電車内で涙をこらえるのが辛かったぐらいなので、感受性が無いわけでもなく、心を動かすスイッチの場所が違うだけか、若しくは、あんまり面白くなかったのだろう。白砂とは遺骨の事であるが、一人の遺骨を巡っての殺人があり、これもまた、最近流行りなのか、常套手段なのか、別々の方面での事象を交互に進めていって、さいごに融合させて真実に繋げている。それぞれの生い立ちは悲しいものがあるが、悲しいから、泥棒、殺人をすると言うのは如何なものか。そう考えると、東野圭吾さんしかり湊かなえさんしかり、事件の裏には被害者は勿論、加害者側にも犯行に及ぶまでの、悲しい、苦しい経緯があり、犯罪者にも同情の余地がある事が広い意味でのテーマとなっているのでは無いかと気づいた。まあ、そうでも無いと小説なんて書けないか。
今回の小説では、刑事の先輩と後輩のやり取りが、ちょっと面倒くさかった。