2/24 忠臣蔵(上)完読

2/24  忠臣蔵(上) 完読

大まかなあらすじは知っており、赤穂城断絶とかの映画や、年末年始の時代劇スペシャルとかでも良く観てたけど、なぜか本で読んでみたくなり、手にしてしまった。
図書館で借りる時、上下巻物や一冊で完結しない物は、あまり手にしないのだが、作家が森村誠一で、時代物を書くとは思っていない人だったので、興味を持ってしまった。
加えて、前書きの部分を読んでみると、今までと違った観点で書いている様で、これもまた牽引力を大きくしてしまった。
読みはじめは、上記の前書き、登場人物の説明が長々と10ページ以上続き、中々進んで行かず、失敗したかなと思ったのだが、結論から言うと、読んで良かった。まだ上巻しか読んで無いけど、忠臣蔵が何たるものかが解った様な気がした。
単なる敵討ち物でなく、元禄という、武士が必要なくなっていく時代の中での武士の在り方が、様々な形で書かれている、とても人間ぽい人情ものである事がわかった。刃傷物だけに、なんちゃって。
内匠頭の家臣一同、敵討ちを考えるのだが、階級の違いや、勤め場所の違いや、家族構成の違いなどで、考え方が皆異なり、それが、初志一徹でなく、同志間の会話で、考え方が大きく変わる人、少し変わる人あり、とても面白い。中でも内蔵助だけは、初志一徹で、のらりくらりしたのは全て演技だと認識していたが、自分の名声の為とか、放蕩の人生も悪くはないと考えてた、としており、そりゃそうだわな、と思ってしまった。家臣の中でも、好きな人ができ、
一旦は、同志の同意の元で、脱退するのだが、相手の家族のこと、同志の事の狭間で悩んだ末に、あっさり自決するところは、なんでと思いながらも、感動した。
今まで関係が良く理解していなかった、上杉家なのだが、ここの家老である、色部の事をしっかり書いてあり、大石と色部とのやりとりは、諸葛亮孔明司馬懿仲達との攻防や、レミゼのバルジャンとジャベールの対決とかを思い出した。
上巻読むのが2週間以上かかりそうなので、延長しに図書館に行ったのだが、予約が入っている為、延長不可であった。残り50ページぐらいはほぼ斜め読みになってしまった。
続けて下巻を読みたかったが、貸出中で無かった。残念。