7/25 ハイビスカス殺人事 完読


入院中、あまりに暇で、病棟に置いてあった本。短時間で読めるだろうと思って手にした。
なんと、沖縄が日本に返還される直前に書かれた本だった。
主人公の助教授が、沖縄の北にある与論島に行って暴行にあいその時取られた腕時計が次の日の夜多摩川沿いで起きた殺人事件の現場に落ちていた。
どう考えても有りえない現象を解き明かしていくのだが、その中で、沖縄人やアイヌ人の少数民族の問題や、敗戦間近の沖縄の状況を含めながら進めていくのはさすが、西村京太郎といったところか。
与論島と沖縄本土は目で見える位近いのに、返還前は、直接の行き来は出来ず、わざわざ東京または大阪を経由しなければいけなかったんだ。今更ながら無知な自分を恥ずかしいと感じた。

7/24 後悔病棟 完読


んーと言う感じ。内容は、コーヒーが冷めない内に、と同じかな。違いは、過去に戻るだけでなく、やり直した先まで体験できる事と、対象者が
余命が短い所かな。
まだ経験ないけど、後数ヶ月の命と言われて、あの時ああしてたら、とか後悔するものなのかな。その後悔した過去まで遡って、やり直した後の自分や周りの人達を見て、成功していようが、失敗していようが、満足するものなのかな。なんか腑に落ちない本だった。
コーヒーも、宣伝文句で4回泣けますと書いてあったが、泣ける話は1個しかなく、今回の後悔病棟も心が揺れる様な内容は無かった。
自分の感受性が乏しいだけかもしれないが。

7/20 高校事変 完読


舞台が武蔵小杉と言う事で購入。背表紙の説明では、学校に総理大臣が訪問することになり、たまたま、そこにテロ集団が集まって、事変勃発。この事変の解決に女子高生が活躍するといった内容が書かれていた。
ほとんど期待もせず読み始めたが、とんでもなく面白かった。
ほぼダイハードの世界ではあるが、ブルースウィルスの様なイカツイおっさんではなく、1人の女子高生が、テロ集団と対峙し、その際の武器はほとんど学校の中にあるものを利用しバッタバッタと敵を倒していく様は、こ気味良い。今流行りの、最強美少女。読んでいくうちに、エヴァのレイを思い出した。
ただ、その時の修羅場の表現は、映画やテレビでは現せない悲惨なもので、実際の戦場ってこんな感じなんだろうと思うぐらい、簡潔に凄惨に描写されていて、真実味が湧いてくる。
何らかの事件に巻き込まれたとき、自分がヒーローになれるかもなんて、平時ではいくらでも夢見られるけと、この小説を読む限りでは、自分は一番に死んでいくか、泣き喚き、怯えてうずくまっているだけなんだろうと思ってしまった。
さて、この女子高生なんでこんなに強いのかと言うと、父親が半グレ集団のトップで、未曾有の事件を起こして既に死刑で亡くなっているのであるが、その父親に幼児の頃から叩き上げられ、育ったから。好んで覚えた物でなく、自然に身に付いていないと、ああも瞬時に思い付かないし、行動出来ないはず。それを考えると、とてつもなくスパルタで叩き込まれている姿を想像してしまう。文章上では一切その頃の描写は無いのだが、もし映像化されたら必ず要所要所で挿入される場面だろう。
こんな育ちの子供だから、当然社会は好んで受け入れるはずもなく、本人もその事は宿命の様に感じているため、目立たない様、ひっそりと暮らしていたのではあるが、秘密が漏れないはずはなく、そうなると、集団いじめが発生する。尚且つ、今回のテロの関係者とも疑われ、そんな中でも、学校関係者が少しでも殺されない様奮闘する様は、一般的なヒーロー物とは大きな差があり、世の中の構造とか考えさせられる。
もう一つ。名前が個性的でとても興味を持った。

7/13 人間失格 完読


今頃?と言われても仕方がないけど、初めて太宰治を読んだ。解説に書いてあったが、完結した小説で最後に書いたものとか。自叙伝をフィクション的に書いたもので、なんか遺書の様でもあった。
自分の意思に反して、周りに合わせた生き方を幼少の頃から続け、とにかく人を信じきれないでいる人の心境が綴られたもの。
先に読んだ笑うハーレキンでは、自分に取り憑いた疫病神に仮面をかぶせていたが、こちらは、自分自身に見えない仮面をかぶせ、人と接する時は、相槌を打ちながら心でベロを出しており、気に入らなければ心中、と言うとんでもない失格者の話。
人間誰しも、仮面をかぶる事は有り、ベロ出しながら会話する事だって有るのはわかるが、どう言う形にしろ、他人を傷付けては、失格だな。
三島由紀夫仮面の告白林芙美子の放浪記に似た内容だと感じ、文学作品ってこんなのが多いのかな。

7/10 笑うハーレキン 完読


一人息子が死に、自分の会社が倒産し、離婚しホームレス生活をしている家具屋の話し。厄病神は出てくるは、突然得体の知れない女の子が舞い込んでくるは、それぞれの会話や独り言が意味深であるは、ホームレスの面々が個性的であるは、とにかく、いろんな事柄が次々出てきて、それがまたわかりやすく、次から次へとページをめくっていった。

後半の急展開からどうなって行くのと首をひねりながら読むと、見事に全てが絡み合って、胸のすく一冊であった。
個人的には謎の女の子の正体がもっとオカルト的なものかと思って読んでいたので、ちょっと拍子抜けした感ありたが、推理物の様な、サスペンス物の様な、人情物の様なで、とてもおもしろかった。
人って、本音で生きていることが少なく、何かしらの仮面を付けて、周りに迎合しているもので、それができない人は、社会に溶け込めず、それを良しとするか否とするかはあるけれど、社会の方から拒絶されて行き、落ちるとこまで落ちていく。けれど、どこかでブレーキがかかり、その思いが、疫病神となって現れたのだろう。

7/1 映画の日 ハッピーデスデイ


テレビでLiLiCoが紹介していて面白そうたったので観てみた。女子大生が自分の誕生日に殺され、殺された後、目が覚め、それが何度も何度も続き、その最中で、性格的に成長していくストーリー。
ジョジョの奇妙な冒険でのバイツァ・ダストみたいな物なのだが、なんでそうなったかは判らなかった。
サスペンス物でもあり、推理物でもあり、中盤ぐらいから、最後はどう結末付けるのだろうと、期待感バリバリで観ていた。
結果、自分を殺そうとした犯人は解るのだが、上記の通り、なんでデジャヴるのか解らなかったので、消化不良。
とは言うものの、ハラハラ感あり、ギャグ有り、お色気あり、等で、トータル的に面白かった。タイトルロール後に予告かあったのがこれまた面白かった。題名が、ハッピーデスデイ  2U(トゥーユー)とこれまた洒落ていて、次も観ようかなと思ってしまった。うまい!
観るかどうかはまだわからないが。

7/5 6月31日の同窓会 完読

7/5  6月31日の同窓会  完読

とても読みやすく、つらつらと読んでしまった。競争率の高い、憧れの女学園の、有りもしない日の同窓会の案内が届き、関連する人が次々と死んでいく。その関連する人たち個人個人が主役になって、各章が進んで行くのだが、なにが本当でなにが嘘なのかわからないまま話は進んでいき、最後には当然真相はわかるのであるか、以外な展開にビックリ。なるほどと思った。
個人名をカタカナで書いたり、漢字にしたり、巧みな表現で、意外性を強調していると思った。